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黒ヒゲクライシス[光原伸]('03.2.15)

この作品は「アウターゾーン」を代表作に持つ光原伸先生の
本誌連載が始まる前に短編で掲載された作品です。

時代にして1988年。
約15年前のジャンプですよ。

■この当時のジャンプ連載陣

作品名 作者 備考
THEMOMOTAROH / にわのまこと /巻頭カラー・表紙・黒武術編
神様はサウスポー/ 今泉伸二 /頑張れ山下さん
翔の伝説 / 高橋陽一 /親子で特訓
DRAGONBALL/ 鳥山明 /天下一武道会VS若ピッコロ
魁!男塾/ 宮下あきら /冨樫と虎丸が驚き役
聖闘士星矢/ 車田正美 /氷河VSアイザック
ジャングルの王者ターちゃん/ 徳弘正也 /超能力?
CITYHUNTER/ 北条司 /100tハンマー
甲冑の戦士雅武/ 高橋よしひろ /里が炎上
燃える!お兄さん/ 佐藤正 /ギャワギャワギャワグワワーッ
ジョジョの奇妙な冒険/ 荒木飛呂彦 /シーザー鬼気迫る青春
舞って!セーラー服騎士/ 有賀照人 /濡れ衣を晴らす
こちら亀有公園前派出所/ 秋元治 /豪快No1
ろくでなしBLUES/ 森田まさのり /「コスチュームがすごいな」
BASTARD!!/ 萩原一至 /ネイにアキューズド
ついでにとんちんかん/ えんどコイチ /イモリの黒焼きが入ってないじゃないか
県立海空高校野球部員山下たろ〜くん/ こせきこうじ /VS山沼高・佐々木
ゴッドサイダー/ 巻来功士 /ケルベロスの顎に




この号の表紙はザ・モモタロー。
ジャンプは多数ある少年誌の中でで400万部突破したり
いろいろ記録的なことを打ち立てます。
豪華な連載陣を抱えて時など「黄金期」などと表される事があります。
この時代はある意味完全な黄金期ではないかもしれませんが、
多種多様な連載陣の内容からすると、
この号の辺りもなかなかすばらしい作家陣が集まっています。


ドラゴンボールこち亀も連載されていますし、
ジョジョも連載されています。
ジョジョシリーズでは第3部が最高とされていますが(私も異論が無いです)、
ジョジョ史上でかなりトリッキーな運命を辿る第二部ジョセフが主人公の時代です。
(今まで短命とされてきたジョースター一族が彼によって長寿(?)に。
そういう意味ではもっとも運命を変えた男といえます)

そしてジャンプといえば一般的挌闘漫画でも他誌に追従を許しませんでした。


聖闘士星矢男塾はジャンプ漫画の象徴的な作品の一つでしょう。
特に男塾は民明書房からの引用を踏まえての素晴らしいウンチク
冨樫と虎丸が敵の不可思議な闘法を見て「ありゃあ、どうなってるんじゃあ」と

▲このときの敵はファラオ?
毎週驚いたり、「なにぃ!お前達はっ」とか言いつつ前の戦いで
死んだ敵が仲間になったりと素晴らしい見所がてんこもりな作品です。
近年よくある第二世代漫画でも活躍しているようです。

ギャグもえんどコイチがついでにとんちんかん
連載されアニメも放映中でした。(必殺目玉チェンジはすごく好きでした)

バスタードもまだ連載を落としまっくったりする事もありませんでしたし、
山下たろー君が連載させているのもなかなかすごいなと思います。
ジャンプ連載当時は余り好きじゃなかったのですが、現在コミックバンチで
成長したたろー君が当時と変わらぬスタンスで活躍しています。
連載を見かけたとき、結構共感を覚えました。
暑苦しいほどひたむきな真剣さがなんとも今好きです。

このように今のジャンプはジャンプでいい作品もあるのですが、比べるとこの時代のほうが、かなり作家性が豊かですね。





「黒ひげクライシス」表紙
話がジャンプよりになっているのを戻しまして、
作者の方の話を軽く触れておきましょう。

代表作はアウターゾーンで内容は一話完結の短編形式で
登場人物の身の回りに起きる不思議な事を描いた作品です。

「世にも不思議なアメージングストーリー」とか「世にも奇妙な物語」のような
オムニバス形式のドラマを連想されると分かりやすいのではないでしょうか。
その前で発表した作品もほとんどがミステリーやトリックアクションのような
ラストにどんでん返しを迎えるものでその作りや話の構成が非常に上手いです。
そしてその描き方も漫画的というより映画を見ているようです。
(コミックスのおまけにもその豊富さがうかがえます)

そういう面白い作品だったんですが一度連載を終了します。
毎回毎回まったく違う設定を考え出すのも大変なのでまあ当然といえば当然かもしれません。
テレビだってシナリオライターなり構成作家が何人もいるわけですからね。




■黒ひげクライシス

「人形が飛び出す代わりに爆発するようにしました」
特殊効果マンの青年がだまされて仕掛けつきの爆弾を作ってしまう所から始まる。

冒頭シーン

犯罪者達がデパートを脅迫したが、仲間が捕らえられて復讐のために、デパートで売られている商品「黒ひげ間一髪」に爆薬を仕込むことを考えた。

正体を明かされ青年は殺されるところだったが、犯罪者の魔手をなんとか防いだ。
防いだものの、事の一件を連絡してもいたずらと相手にされず、そのおもちゃを回収しに車を走らせるが一歩遅く商品は売られてしまった後だった。
周囲をさがすとおもちゃを買った二人の姉妹が荷物を抱えエレベータで移動する所だった。
移動する1階直通エレベータを走って追いかけ、同階で見つけたのは、包みを開け黒ひげで遊び始める姿だった。

この後話が2転3転し、姉妹の姿を見失い、あるきっかけで姉妹の行き先を思いつき追いつきます。その先で黒ひげが爆発するシーンが・・・

以下ネタばれ
(爆発したのは青年の夢の中で、実際は爆発を食い止める事が出来た。
爆発を防ぐ為に追いかけてきてくれた事に感動した姉妹の姉と出かけて良い感じになりそうになるも妹の邪魔が入るというエンディング 。
)

という内容の作品です。
走る姿がかっこいい役者さんがやれば映画化しても遜色ないくらいです。
残念なことにどうもこの短編は単行本に収録されていないようです。
ストーリーの組み立てが秀逸なので残念です。

他短編の何作品かは単行本「アウターゾーン」に収録されていますし、
アウターゾーン連載が終わった後スーパージャンプ誌上で掲載された「殺しのステージ」という短編も収録されているのですがなぜでしょう。


話が若干逸れますが、
個人的な話をするとアウターゾーンも名作なのですが、
作品後半は作者の趣味の女子プロ話や案内役のミザリィのお色気路線のような展開が多くなってきます。
(地獄先生ぬーベーにもこの傾向は強く出てます)
持ち味のストーリーの方が単調になりがちになっていたのを覚えています。

きつい言い方ですと第一部で終わっていた方が良かったか、
特別短編とか今のような漫画がビジネスとしても浸透している状況なら月一連載ということでも納得されるのではないでしょうか。
こういう作品はじっくり考えないと作れないと思いますし。
まだこの年代だと作品が毎回乗っていて当たり前というのが常識だった為過酷なのかもしれません。
特にジャンプはかなり過酷らしいというのを聞いています。

話の作りがどうも最初の頃と後の頃と比べるとかなり違います。
それが単なる趣味なのかいろんな要請が合ったのかなんてわかりませんが。



今は「バガボンド」で、今でも名作の名高い「スラクダンク」で井上武彦読みきりが乗ることになっていました。
絵柄が初々しいですね。




□文中表記補足

落としまくったり
当時の私は「そういう作風」「体を張ったギャグ」と本当に思ってました。
まあそれでもコピーしまくりの漫画よりはまし・・・かもしれません。
どうだろ?


第二世代漫画
例えば少年時に読んでいた作品のその後の時代設定で続きが書かれて漫画。
続編。昔少年だった大人と今の
今の時代は青年でも漫画を読む事に目をつけた出版社が目をつけた。
作品的に関連は無いが無理に以前の人気が合った漫画のキャラを出すケースも連発されたため、
作品にも寄るが名作は少ない可能性が高いと思う。
あるいみ懐かしさより必死さから来る哀愁がにじみ出る為、見てて辛い場合もある。

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