ロミオ・マスト・ダイ('06.4.4)
「マトリックスの〜」の余波の中で
主演:ジェット・リー
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(内容は公開当時に書いたものに加筆しています)
当時はマトリックスが公開されて数ヶ月なので、CMでは「あのマトリックスの〜」というコピーでがんがん流してました。
打撃のインパクトなどがレントゲンのような絵と合わせ内部への衝撃が伝わるのが目でわかるというものでした。
あまりそれは振るわなかった感じがします。
タイトルの「ロミオ・マスト・ダイ」というのは敵役の台詞で
「色男は死ね」と訳されていました。
ストーリーは黒人系犯罪組織と中国系犯罪組織の対立の中でジェットリー演じる中国側の組織の息子と黒人側の女性とのロマンスが生まれてという所にかけた物。
当時のこの映画の売りは「マトリックススタッフの手による作品」と「X-rayバイオレンス」
の二点だった。
「マトリックス」シリーズは第1作の「熱狂」とも言えるブーム振りと2作目・3作目におけるその期待が添えなかった落胆が印象に残るところだ。
今でこそマトリックスは「全体を通していまいちな終り方だ」と言えるけど、第1作が終わった当時はそのかっこよさとアクション、世界観が非常にすばらしくどの人もメディアも大・大絶賛という感じだった。
だからこの映画を見に行ったというわけではないが(もともとジェットリーが気に入った役者さんだったので)、それも理由の一つで見に行った。
ただ正直なところ宣伝で持ち上げに持ち上げた割には期待はずれという感じだった。
アクションはアクションで面白い部分もあったと思うし。
期待の落胆の一端はやはりと「X-rayバイオレンス」 の表現のいまいちな地味さだったと思う。
バレットタイムという革新的な表現を生み出した「マトリックス」という触れ込みから新技術とか新効果を期待しないというのはありえないと思う。
打撃のインパクトなどがレントゲンのように映し出され、それが視覚で伝わるというのは確かに面白い考えではあるが、そのシーンに移るために、一端アクションのスピードが分断され、爽快感が薄れてしまうため、攻撃の爽快感の体感がなんとなく薄れてしまうのが非常にもったいない。 |